Asahi Pentax MZ-S

2001年 5月発売。(公式ページ)MZ シリーズの最高級機。幻のフルサイズデジタル一眼レフ K-1 のベースモデル。

晩年の植田正治氏が MZ-3 と FA77mm LTD を愛用していたという話をどこかで読み、持病(ギアトラブル等)でジャンク行きになっている MZ-3 がないかなぁとぶらぶら探していたときに、本通り近くのサエダさんにてこの MZ-S に遭遇。(2016年秋)何故か中古棚の奥に隠すように置いてあった。MZ-S は MZ-3 とは全然違うので本来の目的(ジャンク MZ-3 探し)からは外れているが、初めて実機を見た MZ-S の姿に心が動かされてしまった。大きな傷もなく底面ゴムカバーの状態も問題なし。全体的にそこそこ状態はよさそう。電池を入れてもらい動作確認等をしたのちにお持ち帰り。

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通称(?)「ジャミラ」と言われるように、軍艦部周りがとても特徴的なフォルム。好みは分かれる個性的デザインとは思うが、ずっと見ているとなかなか愛敬がある。そして、他のエンプラボディの MZ シリーズ等と異なり外装はマグネシウム合金のため質感がとても良い。やはりメタルボディは持っていてしっくりきますね。また内部駆動系も相当違うらしく、動作も従来の MZ シリーズと比べて上質。シャッターボタンのタッチも良く、個人的に5本の指に入るくらい好きなモデル。

幻の K-1 のベースモデルということもあったのだろうが、筐体をマグネシウム合金にしているところをみても相当に力を入れて開発したものだろう。それまでの MZ シリーズと、(商業的には失敗したと言われる)Z シリーズのハイパー操作系を融合させたとか。ハイパー操作系は現在の K-1 にも搭載されている PENTAX 独自の優れたシステムで、きっと開発者には強い思い入れがあったのでしょう。ただ操作ダイアル類は正直なところちょっと特殊なのでマニュアル(PDF)がないと使い方が分からないと思う。

あと、この MZ-S で有名(?)な話と言えば、最高速シャッタースピードが中途半端な 1/6000秒である件。使用した某社のシャッターユニットを実測したところ上限が 1/8000 に足りず 1/6000 だったので正直に 1/6000 にしたという。(一方で同ユニットを使っていた商売上手な某カメラメーカーさんは 1/8000 として売り出したとか。)こういう生真面目で実直なところが旭光学 PENTAX を好きな理由の一つだったりします。

ところで、今年春に入手していた FA 24-90mm って、 MZ-S とセットで売られていたレンズみたいですね。もしかしてこのレンズが MZ-S を引き寄せたのか? 50mm F1.2 や 135mm F2.5 が K2 を引き寄せたように… もちろん偶然に違いないのだけれど、なにか縁を感じてしまうね。(買った言い訳をしているわけでは、、、かもしれないけど ^-^;)

データバック機能

いわゆる日付写し込み機能。MZ-S は 2049 年まで対応している。(もう少し詳しい話は MZ-5 のページを参照ください。)ちなみに MZ-S の一年後に発売された Asahi Pentax ESPIO 120SW II は 2100 年まで ok なんですよね。MZ-S も 100 年カメラだったら良かったのになぁ。(そもそも、それまで使い続けられるかという問題がありますが。)

Last modified:2017/05/24 12:34:05
Keyword(s):[Camera] [Asahi Pentax]
References:[Asahi Pentax ESPIO 120SW II] [Asahi Pentax MZ-5] [Camera] [Film Camera]