Ricohflex VII
理研光学の Ricohflex は 1950 年代に大ヒットした二眼レフカメラ。その VII 型機に当時国内最高と言われたセイコー社ラピッドシャッターを搭載したモデル。3群3枚の Ricoh Anastigmat 80/3.5 (レンズ構成はおそらくここに描かれたものと同じだろう)。昭和29年(1954年)発売、当時の定価 10500円。
2017年の残暑厳しい 9月初めに、よく立ち寄る本通り近くのサエダさんの中古カメラ棚に、二つ眼の小さな四角い箱がちょこんと並んでいた。フォーカシングスクリーンやファインダー側レンズに若干のカビがあったりと状態は良いとは言えないが、シャッター・絞り・ピントなどの機構部分は問題なく動作すること、価格も遊びで買えるくらいに廉価(Asahi Pentax auto110とほぼ同じ)だったことから購入。
構造はすこぶる簡単だし、遊びで弄るにはとても面白そうなオモチャになりそうである。いまはちょっと時間がないので後日簡易レストアすることにしよう。飾っておくのも悪くないが、もちろんフィルムを入れて撮るつもり。この時代のものだし、モノクロネガ辺りを入れて撮るのがいいかな。
後日、軽く分解してみた。実のところカビは大したことはなく、レンズをバラすまでもなくきれいにすることができた。部品点数が極めて少なく全バラするのも大したことではないが、稼働している部分を無駄に分解しなくてもいいだろうという方針で軽めの整備で終了。フィルム面に薄い紙を貼り付けて簡易ピントチェックもしてみたが全く問題無さそう。
どうでもいいことだけど、購入後に中をみてみるとサクラカラーの空スプールが付いていた。 コニカがサクラカラーの製造を止めたのはもう随分前の話なので、それ以前に使われた後に仕舞い込まれたということだろうか。
関係ないが個人的にはフジカラーよりもサクラカラーの方が好き。まぁ、今でもフィルムを作ってくれているフジフィルムには感謝しているけれども、フィルムを作り続けるのはトップシェアであった企業の責務でもあると思うので、ずっと作り続けてね > フジフィルムさん.... (追記 2018.04)モノクロの Acros の製造販売を中止するというアナウンスが富士フィルムから発表された。フィルム文化は守ると言っただろうが、この嘘つきが!(このカメラに使われているような古いレンズは、モノクロフィルムでないと… 入手性のいい Acros が無くなるとなると、さてどうしたものかなぁ。Kodak にするか…)
ちなみに軽整備時に気付いたのだけど、過去に誰かが分解した形跡が残っていた。サクラのスプールが入っていたということは、随分前に分解(整備)されたのだろうか。このカメラがどんな人の手を渡って、どんな写真を撮ってきたのか。幸せな光景を撮ってきているといいなぁ。。。古いカメラはこういったことを想像するのも楽しい。(ちょっと感傷的すぎるかな。)
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