Voigtländer Vitessa Ultron 1:2/50

1950年代、Voigtländer が最も輝いていた時代に作られた、独創的な機構を持つレンジファインダーカメラ。 いわゆる Leica copy なカメラ達とは一線を画し、独自性を出そうとした Voigtländer 製品群のマニアックなところがたまりません。:-)

こういった「他所とは違うものを」という姿勢は、Leica copy なカメラを作っていた多くの国産メーカーを尻目にいち早く一眼レフに着手して一時代を作った旭光学の姿勢に似ているな、と思っています。

 vitessa_frontview.jpg

2017年春、広島駅前の日進堂さんにて購入。 目立たない奥の棚に置いてあった。 見せてもらったところ、使い込まれボディには傷もたくさんあるが、レンズはとてもきれい。 カビは皆無で錆もほぼ無くボディの細かい傷をみるかぎり、長年道具としてしっかり使われてきたのだろうと想像。 少し触らせてもらったところ状態はぼちぼち(後述するが 実はそうでもなかった ^-^;)で、値段もお手頃だったので購入。 何より欲しかったんですよね、本家本元の Voigtländer のカメラ。そして Ultron 50mm F2 レンズ。

ちなみに、よく見える表の陳列棚には とても美しい初期型 Vitessa がきれいな皮ケースと共に並べてあったが、 そちらは高くて手が出なかった。^-^;; まぁ、美品過ぎると逆に道具として使い辛くて飾るだけになってしまいかねないですしね。 道具はそれが生きている間は飾るのではなくて使ってやりたいです。

 Ultron50mmF2.jpg

Camerapediaで 調べてみたところ、初期型の Vitessa A version 3 というもののようだ。 製造は 1952年頃だろうか。 随所に工夫の後が見られて、カチャカチャ操作するだけでも楽しい。 軍艦部にアクセサリシューなどが付く前のモデルで、スッキリした美しいデザインだと思う。本家 Ultron の写りがどれほどのものかも楽しみ。

 vitessa.jpg この軍艦部トップのロゴ、格好いいと思いません? :-)

さてさて、実際に(テスト用)フィルムを通してみるとどうも動作に重たさを感じる。 ギシギシするような渋く重たい動き。シャッターチャージに失敗することもあるし、スロー以外でも変な粘りがあるような、、、うーん、こりゃいけんわ。きちんとプロに整備してもらった方が良さそう。 というわけで、古いスプリングカメラの修理も受けている熊本のひさなが光機さんに診てもらうことに。 診てもらったところ、シャッターの作動不良の他、全体的に動きが渋く(やっぱりね…)、距離計なども狂っているとの診断。分解整備や注油などで改善するだろうとのことだったので、迷うことなくオーバーホールをお願いした。 本職の方にオーバーホールしてもらって快適に動くようになったら、私も楽しく写真を撮れますし、カメラも幸せじゃないでしょうか。

(道具・機械一般にそうなんだけども、、、) カメラという機械として生まれてきて、うまく動けない状態のまま放置されているというのは切ないと思うのです。 もちろん誰からも忘れられ、道具としての一生を全うすることなく朽ち果てていくカメラもたくさんあるだろうし、そういうカメラが大半なのでしょう。 でもそういう機械達をみると、どうにも放っておけない気持ちになります。せめて自分の目に留まったカメラは少しでも延命させ、できるならば後世に残したいと。 (以前譲っていただいた持病持ちの Asahi Pentax MZ-5 を直したのも同じ理由。ただ MZ-5 と違って、古いスプリングカメラを修理する腕は持ち合わせていないので、その道のプロフェッショナルにお任した次第。壊しちゃぁ元も子もないから。)

この Vitessa にケチを付けるとすれば、ファインダーが見にくいところかなぁ。他に類を見ないマニアックで独創的な機構を楽しみ、Ultron の写りを愛でる、というのがこのカメラの楽しみですね ;-)

サンプル(ポジで撮ったものをスキャナで取り込んだ)

下手な作例で申し訳ないけど、流石の写りですね :-)

 vitessa_sample1.jpg

 vitessa_sample2.jpg

 vitessa_sample3.jpg

Last modified:2017/05/25 00:07:50
Keyword(s):[Camera] [Voigtländer]
References:[Camera] [Film Camera] [Konishiroku Pearl II]