SMC PENTAX 1:2.8 120mm

変な焦点距離(?)で有名な望遠レンズ。1975年の K2, KX, KM と共に発売されたもので、SMC Takumar レンズの流れを汲むものらしい。4群5枚、絞り羽根6枚、最短撮影距離 1.2m、フィルタ径52mm、63x75mm、355g。後継の M120mm とはレンズ構成が違う。 カタログ "SMC ペンタックスレンズ" によれば、SMC PENTAX 1:2.8 30mmと合わせて「F2.8 1:4(ニイハチイチヨン)」コンビと言うのだそうな。(聞いたことないけどね f^-^;;)

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以前からのんびりと探していたこのレンズ、 高松のヒガサカメラさんからSMC PENTAX 1:2.8 24mmと共に購入。外箱、ケース、フードを含め一式揃っており、レンズも素晴らしく美しい状態。(もちろんヒガサカメラさんのところでチェック済みなので安心。) 手のひらに乗せると、そのコンパクトさにニヤリとしてしまう。このサイズで F2.8 というのはいいですねぇ〜。

120mm という他にない焦点距離については、中村文夫さんの「使うペンタックス」(双葉社)に興味深い記述がある。(この本、面白いです。PENTAX好きにお勧め。)要約すると手ぶれを防ぐ目的で誕生したということらしい。少し引用させていただく。

当時、手ブレが原因でシャープな写真が撮れないという問題を解決するため、様々なテストが社内で行われた。その結果、像倍率が標準レンズの 2.5倍までであれば、手ブレが軽減できるというデータが得られたのだ。

つまり、その条件を満たすモノとして 120mm レンズが誕生したということなのですね。ただし、この説明を読むだけでは?な部分があるので、語られていない(語れない?)話があるだろうと推測しています。(著者は元旭光学の方なので内部事情を知ってor聞いていても不思議ではない。)個人的興味として、この社内テストがどのようなシチュエーションを想定して行われたのか知りたい。

またこの本では 120mm と 30mm をセットにしたことについても言及されている。

当時全盛を究めていた8ミリムービーカメラは4倍ズームが付いた製品が主流だったので、120ミリと組み合わせて使うには 1/4 の焦点距離が使いやすいだろうと判断した結果である。

真実を知れば「中途半端な焦点距離のレンズ」というわけではなく、きちんと理由があって作られたレンズ群なのだと分かる。ブレを防ぐとか使いやすさとか、さすがユーザ目線の旭光学だなぁと感心するんだけど、もうちょっとその辺りを説明すればいいのにとも思う。まぁ、そういった不器用さも旭光学らしいのだけども。。。

(蛇足)望遠のー指標とされる 135mm という焦点距離については某レンジファインダーカメラの測距精度の制限から来たものだ、という有名な話もあります。なので実のところ 135mm という焦点距離を一指標とする根拠は極めて薄弱なんじゃないかと思います。(もちろん画角の慣れというものがあるのは百も承知ですが)猫も杓子も 135mm って方がよほど変じゃないでしょうか。 (そもそも、人の目の視野角が discrete なわけ無いんだから。)

Last modified:2018/07/29 12:55:00
Keyword(s):[Kマウント] [レンズ]
References:[Lens] [SMC PENTAX 1:2.8 24mm]