Konishiroku Konica SII

(ジャンクで入手し、自前修理中...)

1961年発売。Konica I,II,III シリーズからデザイン一新した Sシリーズの後継モデル。セレン露出計付きのレンジファインダーカメラ。レンズは (おそらく特許公報昭29-1225 を使った)Hexanon 48mm F2。シャッターユニットは Copal-SVE。もちろん Konica お得意のパララックスと画角を自動補正するファインダーも。

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(2019/07/06)キタムラあけぼの店のジャンク棚にて。ワンコイン。Konica S シリーズは「若い魅力」というデザインコンセプトらしい(当時の評価は知らない)のだが、デザイン的に「?」と感じていたので手を出してこなかった。(Konica IIBIIIA の方が好き。)ところが、このところ種々なジャンクなレンズシャッター機(Minolta Repo, Hi-Matic, Topcon 35S, Mamiya35 Ruby など)を楽しく弄ってきた流れで、この SII にも興味が出たので購入。何より安いしね。:-p この時代のカメラは面白いですよ!

筐体をきれいに掃除しながらざっと調べてみたところ、、、セレンは生きている(簡易計測したら正確な値を出しているっぽい)し、Konifilter が付けられていたレンズの状態も良。がたつきのあるシャッター環や絞り環あたりの組み直し、レンズシャッター羽根の洗浄、あとは軍艦部を開け内部に脱落しているフィルムカウンターカバーを付け直すくらいの軽整備で直りそうかな。写りの良い Hexanon レンズの付いたカメラをワンコインで入手できるなんてね。

(2019/07/07)ん?ネット上を調べてみると、この SII はファインダー内に露出計があるみたいに書いてある。この子のファインダーには露出計らしきものが全く見えないので、軍艦部内部に問題があるということか。(面白くなってきた!)

まずはレンズ前群をゴム(吸盤オープナー)でグイッと外してみる。

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何故かフィルター枠を固定するネジがコロコロと ^-^;; 前に開けた奴がちゃんと締めてなかったのかな。

観察してみると、連動露出計のための接点らしきものが隙間から見える。シャッター速度環(たぶん絞り環も)を回すと接点位置が変わり、セレン光電池に繋がる抵抗値が変わるといったところだろうか。ここの接点の手入れは注意しないといけないだろうな。この辺り、各社の設計思想の違いが面白いですね。

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次に軍艦部もソロリと開けてやると、、、

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フィルムカウンタや露出計の窓に取り付けられていた透明なプラスチックが脱落している。さらに露出計の中も何かのパーツが外れている模様。

 KonicaSII-4.jpg 露出計(透明なカバー)の中に何か…

 KonicaSII-4-1.jpg ファインダー内に露出計を投影するための細長いミラーが外れている

劣化した茶色い接着剤(フェノール樹脂かな?)を除去し、プラスチックパーツを付け直す。ファインダー内(上部)にきちんと露出計が表示されるようになった!なるほど、これが SII のファインダか〜。きれいに組み直して、今日のところはここまで。レンズ鏡筒は後日。

(2019/07/14)レンズの後ろ玉を外して確認してみたら、、、うぎゃぁ、傷があるじゃん orz... しかも真ん中近くに。しくしく。通常こんなところに傷は入らないから、過去弄った誰かが後ろ玉を外そうとして失敗したんだろう。馬鹿野郎〜!後ろ玉、しかも真ん中の傷とは、もろに写りに影響が出るじゃないか。(テンションだだ下がり)

(2019/07/28 夜)シャッターユニットを取り出し、洗浄剤(バイク用パーツクリーナー)でエイやっと洗浄した後、注意深くミシン油をごく少量注油。シャッタユニットも正常に動くようになった。接点をきれいにして、絞り&シャッター環による露出計の動きも滑らかに。あとはレンズを組むだけで終わり。(なんだけど、後ろ玉の傷がなぁ…はぁぁ。)

というわけで、レンズ後ろ玉のドナーとなる Konica S (ジャンク品)に出会うのをのんびりと待っている。

Last modified:2019/07/28 23:13:11
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